漫画家になるために専門学校に行くべきか悩んでいる
有名漫画家の出身やデビューまでの経緯を知って参考にしたい
こんな疑問を解説します。
筆者のプロフィール
・デザインの専門学校→美術大学を卒業
・必死に漫画家目指して読み切り漫画を描きまくる
・新人賞受賞
・誌面への掲載、連載まで辿り着けず挫折
・デザイナーとして就職するも紆余曲折あり営業職になる
・本業こなしながら副業イラストレーターとして活動中
ボクは小さい頃から夢である漫画家になるためデザイン専門学校・美術大学を卒業しました。
卒業後も必死で漫画を描きまくりましたが、結果連載まで辿り着けず挫折しました。
ボクの簡単な「年表」がこちらとなります。
漫画家になるべく専門学校・美大に行っても夢叶わない人から、独学で大成功する人まで色々なパターンがあります。
ちなみにボクはほぼ完璧な「失敗事例」です。
「専門学校には行く意味ない!なぜなら俺は行っても漫画家になれなかったからだ!」
という結論になりそうな所ですが、もちろん専門学校出身の漫画家の先生います。
有名漫画家の成功事例からボクの失敗事例までまとめて解説していきます。
漫画家になるための「進路」に悩んでいる方は参考にしてみてください。
【失敗談】漫画を学べるおすすめ専門学校ランキング(漫画家挫折したサラリーマンが解説)
目次
【専門学校に行くべき?】有名漫画家の出身・デビューのパターンを解説
結論:漫画家としての成功と学歴に相関関係はない
いきなり結論になりますが
「漫画家として成功している方は、こんな学歴が多い」
という統計はございません。
有名大学卒業から中卒まで様々な学歴の方が漫画家として成功されています。
しかし、マンガ大賞を受賞している方の美術専門教育を受けている割合は以下となります。
53%
※「手塚治虫文化賞 マンガ大賞」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門大賞」「マンガ大賞」受賞者43名から算出(経歴不明者を除く)
参考:https://manabi.benesse.ne.jp/lab/student/school/school045/index.html
「新人賞」に関しては、半数以上の方が何かしらの美術の専門教育を受けていることが分かります。
新人賞受賞はデビューの登竜門となります。
その為、漫画家になるための学部やカリキュラムのある専門学校では「新人賞受賞」を一つのゴールにしている学校もあります。
そういった影響もあるかもしれません。
新人賞受賞をゴールとするのであれば短期間で専門的に学べる専門学校に行くことはコスパが良いと言えるかもしれません。
しかし「漫画家として成功する」をゴールにする場合、専門学校・美大に行くこと以上に大事な事があります。
漫画家志望の方が専門学校・美大で気をつけたい事
漫画家として連載をもてる確率は1,000人に一人と言われています。
出版社に1,000人持ち込み行いデビューできるは10人
中長期の連載を持てるのはその内1人の計算になります。
ポイント
デビュー確率:1%
連載確率:0.1%
ボクは専門学校・美術大学を卒業しましたが漫画家になれませんでした。
理由は「いつまで経っても教えてもらえるスタンス」だったからだと後悔しています。
一般的な学生は、先生の話の話を100%理解・暗記できていればテストで100点が取れる世界線に住んでいます。
しかし仮に漫画家としての成功を100点満点とするのであれば、学校で教えてもらえることを完璧に抑えても20点くらいしか取れません。
残りの80点の取り方は先生も知りません。
「面白い漫画とは何か!?」
という疑問と必死に向き合い漫画を描きまくるしかありません。
学校に通っているのだから、必要なことは教えてもらえる
と考えていると超危険です。
学校に通ってノンビリしている間に、必死に「面白いとはないか」に向き合っているライバルに抜き去られます。
有名漫画家の出身・デビューパターン3つ
作品:進撃の巨人
作者:諫山創先生
専門学校卒業:有
九州デザイナー学院 マンガ科(中退)
マガジンで佳作入賞
賞金を使ってすぐに状況
アルバイトをしながら「進撃の巨人」の連載に向け担当編集者と打ち合わせを重ねる。
ジャンプに持って良いったらボツでマガジンに持っていったら受賞したというのは割と有名なエピソードです。
九州デザイナー学院を卒業されているので、美術に関しての基礎は学習されたことがあったのかもしれせん。
しかし諫山創先生の凄さは「デッサン力」ではなく「ストーリー構成」と「演出」だと思います。
この辺りは学校でなかなか教えづらい項目です。
諫山先生ご本人の努力と資質の方が成功要因の大きなウエイトを占めていそうです。
また自分の作品を色々な場所に持ち込むことの重要性も分かります。
「自分がデビューしたい雑誌」と「あなたの作風にマッチしている雑誌」はイコールでは有りません。
自分の可能性を自分で潰さないようにすることが大事です。
作品:ナルト
作者:岸本斉史先生
専門学校卒業:無し。大学卒業
九州産業大学 芸術学部卒業
画力の向上を目指し、美術が学べる芸術学部に進学。
学業と両立しながら漫画のストーリーや構成を練り、大学4年の時に描き上げた漫画で佳作を受賞
岸本先生といえば圧倒的な「デッサン力」で有名です。
岸本先生はインタビューで
「自分の脳内で動画としてキャラを動かし、カメラに収める感覚で描いている」
と語っていますが、こんなこと普通はできません。
美術大学で人体やデッサンの基礎を学んだ影響も大きのかもしれません。
作品:ドラゴンボール
作者:鳥山明先生
専門学校卒業:無し。高卒
高校を卒業後、絵を描く仕事に就きたいと思い地元の広告関係のデザイン会社にデザイナーとして就職
遅刻を繰り返したりレタリング作業が主な仕事になり、嫌気が差して約2年半ほどで退職
23歳にして初めて漫画を描き始める。
編集者の鳥嶋和彦さんはセンスを感じアドバイスをし、以降鳥嶋さんの元で修行。
年間ボツ原稿量500ページ
鳥山明先生に関しては天才ならではの経歴で参考にするのが難しいかもしれません。
しかし、デザイナー会社は2年退職したにもかかわらず、漫画は圧倒的な努力をされています。
それだけ自分の情熱を注ぎ込めるものという確信があったのかもしれません。
そして良い担当編集者の目に止まったのも大きいと思います。
ボクは漫画家を目指していた頃合計2名の担当編集者とやりとりをしていました。
担当編集者によってアドバイスの方法や方針も全く違いました。
新人賞の受賞からデビューを目指す漫画家志望の方が担当編集者を選択することはできません。
このあたりは運だと割り切り、アドバイスをいただきながら漫画を描きまくることが大事です。
年間500ページの努力ができれば成功は近い
鳥山明先生のエピソードにあった年間ボツ原稿量500ページ
これはえげつない量です。
個人的には
それだけ努力すれば、そりゃあ何かしら結果でるわ・・・
と思うレベルです。
将来漫画家になりたい!と本気で考えている方でも、これだけ原稿を描いている方は少ないはずです。
ちなみにボクは大学を卒業してアルバイトをしながら漫画家を目指していた頃、毎月31ページの読み切り1本制作していました。
年間372ページ
この量でも正直ノイローゼになり、腱鞘炎になりました。
500ページなんて想像もできません・・・
ちなみに漫画の「神様」手塚治虫先生の最高月間原稿枚数は600枚です。
意味不明です。
まとめ:専門学校は選択肢として有り。でも成功は自分次第
漫画家への登竜門となる「新人賞」は、美術や漫画の基礎を学べる学校に通うことでぐっと距離が縮まることは事実です。
「夢への第一歩目」として専門学校へ行くという選択は悪くないと個人的には思っています。
しかしその先の「成功」は、学校に行く行かないよりも本人の努力と才能と情熱しだいです。
専門学校にはお金がかかります。
一人暮らしするのであればそれに加え生活費もかかりさらに大変になります。
当たり前ですが、漫画家になるために一番大事なことは「たくさん漫画を描くこと」です。
生活費や学費を稼ぐためにアルバイトに明け暮れ、漫画が描けなくなってしまっては本末転倒です。
時間とお金と自分のリソースを考えながら進路を決めるのがおすすめです。
こちらの記事で漫画を学べる専門学校ランキングも解説しています。
学校選びで迷っている方は参考にしてみてください。
【失敗談】漫画を学べるおすすめ専門学校ランキング(漫画家挫折したサラリーマンが解説)
この記事が進路に悩んでいる漫画家志望の方の役に立ってくれたら嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。