イラストは描けるのに漫画が描けない
新人賞に応募するための読み切り漫画が描けるようになりたい
こんな疑問を解決します。
筆者のプロフィール
・デザインの専門学校→美術大学を卒業
・必死に漫画家目指して読み切り漫画を描きまくる
・新人賞受賞&担当編集者つく
・誌面への掲載、連載まで辿り着けず挫折
・デザイナーとして就職するも紆余曲折あり営業職になる
・副業イラストレーターとして活動中
小さい頃からの夢である漫画家になる為に漫画を描きまくりました。
結果、連載を勝ち取り漫画家になることなできませんでした。
しかし、新人賞受賞まで達成することができたのである程度信頼していただけると思います。
イラストは割と描けるのに漫画を描こうとすると全然描けない!
そんな方は是非参考にしてみてください。
目次
「イラストは描けるのに漫画が描けない」読切漫画を描くための「型」を解説
なぜイラストは描けるのに漫画が描けないのか
イラストは描けるのに漫画は描けない「理由」それは
漫画を描く練習をこれまでやっていないから
これ意外ありません。
Gペンの使い方やコマ割りなんて割とどうにでもなります。
キャラデザインは、イラストが描ける方なら得意中の得意だと思います。
でもそれでは漫画は描けません。
ボクはデザインの専門学校と美大に通いました。
しかし、漫画を描き始めた頃は頑張っても2〜3Pしか描けませんでした。
たまに10Pくらい進む時もありますが、すでにストーリーが破綻しているのがわかりました。
自分が何を描きたいのかが分からなくなり頓挫してしまうことがほとんどでした。
きっと当時のボクと同じような方も多いはずです。
描けない理由は「何のルールもない状態で進めているから」です。
無理矢理にでも物語の「テンプレ」を作ってしまえば、あとはそれに合わせて物語を組み立てて行くことが可能です。
あえてガチガチに「テンプレ」を作って、それをぶっ壊すイメージで漫画を描く
ストーリーの構成にはテンプレのような構成がいくつかあります。
多くの有名な映画ではそれが活用されています。
漫画が描けなくて悩んでいる方はまずは、自分なりのストーリーのテンプレを作ってしまいましょう。
テンプレ例
始めの5ページまででこれをやる
次の5ページでこれをやる
クライマックスは28-29ページで見開きで描く。
テンプレを作る為に映画を見て勉強しようとしても楽しんでしまって全然頭にはいってきません。
おすすめは脚本術の本を読み漁ることです。
ボクの場合このようなテンプレを作りました。
あとは読切漫画のページ内で構成を当てはめていけばOKです。
しかしこのテンプレを使えば面白い漫画が描けるかというと全くそんなことはありません。
あくまで進むべき指針としてテンプレを活用し時にはそのテンプレをぶち壊しながらストーリー構成を考えていきましょう。
お題も自由、画材も自由、キャンパスの大きさも自由。さあ何でも良いからすごい作品描いて!
と言われると悩みますよね。
しかし
A4サイズでお題は「伝説の勇者」、水彩絵の具で描いて!
と言われるとイメージも湧きますし、時にはお題をぶち壊した作品を描いてビックリさせてやろう!なんて思ったりするはずです。
それと似たようなことを漫画でもやるための「テンプレ」の活用になります。
キャラクター制限
ストーリー構成の他にも、キャラクターの人数にも制限をかけていきましょう。
おすすめは4人前後です。
それ以上になると読切漫画では収集が付かなくなります。
また各キャラ毎の役割を明確にしておくと、ストーリーがグッと作りやすくなります。
キャラクター役割の例
・主人公(破天荒な性格、ぶっ飛んだ能力等、実は〇〇etc)
・読者の代弁者(常識人、リアクション担当、読者の代弁者、説明役etc)
・ヒロイン(救うべき対象)
・敵キャラ(倒すべき相手)
短いストーリー複数作ってキャラを掴む
キャラクターの人数とそれぞれの役割がきまったら、色々キャラを動かしてみましょう。
3~5P程度でよいのでキャラクターを動かすネームと作ってみるのがオススメです。
初めから頭の中でキャラクターが出来上がってる方なんてほとんどいません。
デッサンと一緒で、最初は大きな形から掴んでいき、徐々に細かく明確にしていく感じです。
自分が描きたいストーリーとは無関係でもOKです。
ファンタジー系の漫画を描こうと思っている場合でも、登場人物がコンビニに買い物にいく様子を描いてみてもOKです。
その他にも「大食い勝負させてみる」「トランプさせてみる」でも何でもOK。
キャラクターを実際に動かしながらイメージを固めていきましょう。
3~5Pの漫画の中にも「起承転結」を作っていくことが大事です。
4コマ漫画をイメージすればそれほど難しくはないハズです。
エピソードをつなげてストーリーにする
有名な映画や漫画、そして読切漫画も含めてほとんど全ての物語は「小さいエピソード」の連続です。
エピソード連続例
ルフィが海賊になりたいと喚くエピソード
シャンクスが山賊にお酒をぶっかけられるエピソード
ルフィがシャンクスに助けられるエピソード
ルフィが近海の主をワンパンするエピソード
31P程の漫画をいきなり描き始めても挫折します。
しかし5P程度の漫画であれば頑張れば描けます。
沢山の5Pエピソードを作り、それらをいい感じに組み合わせて31Pの漫画にする。
これなら割とできます。
31Pの読切漫画を描く場合は5Pのエピソードが合計6つの計算になります。
沢山エピソードを描いて色々組み合わせてみましょう。
これが結構楽しいです。
最初は思いもつかなかったエピソードがどんどん出てくるハズです。
それでも「面白くない」のが普通
キャラもできて、小さなエピソードを組み合わせて、なんとか31Pのストーリー漫画が描けた。
これだけでめちゃくちゃ大きな進歩です。
しかし完成した漫画はきっと「全然面白くない」ハズです。
それで普通です。
冷静に見つめ直して改善できればベストです。
しかし、自分が必死に作った漫画なので「面白くない」なんて一言で片付けたくない!という「気持ちフィルター」が掛かってしまいます。
一生懸命作った作品が一撃でボツにされるのはとても辛いです。
しかし怖がっていても前には進めません。
この世界で闘うと決めたのであれば、勇気を持って作品を編集部に持ち込んだり、友人に見せたりしましょう。
ほぼ確実に「全然おもしろくない!」と言われますがそれでOKです。
最初からそう言われる覚悟をしていれば、それほど怖くありません。
自称漫画家志望の方の9割が読切漫画すら完成させることなく夢をあきらめていきます。
読切漫画を完成させたあなたはすでに上位10%にいると思って間違いありません。
ここからようやく「本気のライバル達」とのガチな戦いがスタートです。
「超」が付くほど有名な漫画家の先生もデビューまでには、恐ろしいほど苦労してたりします。
ドラゴンボールの鳥山明先生は、下積み時代の1年間でのボツ原稿枚数が500Pです。
こちらの記事で有名漫画家の先生達の出身からデビューを解説してます。
気になった方は参考にしてみてください。
【専門学校に行くべき?】有名漫画家の出身・デビューのパターンを解説
独学か学校に行くべきか
自分でテンプレを作って読切漫画を完成させて勇気をもってどんどん持ち込みができる方は独学でOKです。
逆にこんな方は漫画の基礎を学べる専門学校に通った方が効率がよいです。
専門学校がオススメの方
どうしても読切漫画が一人で完成させられない。基礎から教えて欲しい
目の前で直接作品を読まれてコメントされるのが怖いので持込ではなく「投稿」を考えている
良いところ悪いところの解説と次回の方向性までアドバイスが欲しい。
とは言っても専門学校は1年で120万円前後の学費かかります。
自分のアルバイト代だけで学費を払うなんて無理ゲーです。
それこそアルバイトばかりで漫画を描く時間がなくなってしまいます。
社会人から専門学校に再進学を目指す方であれば、ある程度貯金があるかもしれません。
それでもきついハズです。
専門学校に行くことを検討する場合は必ず家族からの支援と各種補助制度を使い倒してください。
そんなお金のかかる専門学校ですが、メリットまとめるとこんな感じです。
専門学校のメリット
ストーリー作りやキャラ作りを体系立てて教えてもらえる
プロ・セミプロから直接指導してもらえる
同じ志をもつ仲間・ライバルに出会える
こちらの記事で漫画が学べるオススメの専門学校ランキングも解説しています。
【失敗談】漫画を学べるおすすめ専門学校ランキング(漫画家挫折したサラリーマンが解説)
一番まずいのは、「どうせ無理だ、チャレンジしても無駄だ」と自分に言い聞かせて、自分の気持ちに蓋をしてしまうことです。
5年10年経過したあとに「やっぱり挑戦しておけばよかった」なんて後悔しても取り返しつきません。
ボクは漫画家という夢に突き進んだ結果、ダメでした!
しかし全く後悔してませんし、「あの時死ぬ気で頑張ってよかった」と感じています。
漫画家目指して原稿描きまくった経験が、今の本業や副業イラストレータとしての仕事に役に立っています。
年齢を重ねれば重ねるほど「挑戦すること」へのハードルが上がります。
自分の気持ちに正直に突き進んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。