イラスト系の専門学校に行った人の感想が聞きたい
良かったこと、悪かったことが聞きたい
イラスト系専門学校へ行くことを検討しているが気をつけるべき事があれば知りたい
こんな疑問を解決します。
筆者のプロフィール
・デザインの専門学校→美術大学を卒業
・必死に漫画家目指して読み切り漫画を描きまくる
・新人賞受賞&担当編集者つく
・誌面への掲載、連載まで辿り着けず挫折
・デザイナーとして就職するも紆余曲折あり営業職になる
・副業イラストレーターとして活動中
デザイン系の専門学校に入学し役に立った授業もそうで無い授業もたくさん受けました。
ボク自身の経験や体験談も紹介しながら
「専門学校に行って良かった」
と感じた事、逆に無駄と感じた事をリアルに解説してきます。
イラスト・マンガ系の専門学校への進学を検討されてる方は是非参考にしてみてください。
目次
【体験談】イラスト・マンガ系専門学校にいって良かったこと・悪かったこと
結論:行く価値あり!でも夢は叶えてくれない
いきなり結論になりますが、イラスト系の専門学校を卒業したボクの素直な感想です。
行く価値あり!でも夢は叶えてくれない
ネットにはイラスト・マンガ系の専門学校には割とネガティブな論調が多くあります。
ネガティブ意見
専門学校に行くやつはカモ
専門学校を卒業して漫画家で成功している人なんてほとんどいない
確かに専門学校はお金がかかります。
それも大金です。
そしてイラストの専門学校を卒業してなくて大成しているクリエイター様も沢山います。
確かにコスパだけを重視すれば、YouTubeなどで上手なクリエイターさんの動画をみてひたすら真似するほうが良いかもしれません。
しかしイラストを上達させ仕事にする為には、やりたく無い練習も沢山しなければいけません。
クロッキーやデッサンなどがその類です。
一人ではなかなか取り組むことが難しい基礎練習も体系立ててレクチャーしてくれる。
学校という環境でやるしか無い環境に身を置ける。
共に成長できる仲間やライバルもいる
これはとても大きなメリットです。
そしてイラストを描いたことない人や、コスパだけを意識する方は理解できない要素でもあります。
ネットのネガティブな情報だけを信じずに、まずはオープンキャンパスにいったり資料請求をするなどで情報収集するのがおすすめです。
仮に入学したあとに後悔するようなことがあったら、すぐに辞めて別の道を探すと言うのもアリです。
【専門学校に行くべき?】有名漫画家の出身・デビューのパターンを解説
一方で、専門学校はマンガ家を初めととする「夢を叶えてくれる場所か?」というと
答えはNOです。
夢を叶える助けにはなりますが、叶えてはくれません。
例えば10個集めればマンガ家になれる秘密のアイテムがあったとします。
そのうち専門学校で与えてくれるのは1個。
のこりの9個は自分の力でもぎ取りに行かなくてはいけない。
そんなイメージになります。
専門学校で学ぶことより、本人のやる気と行動力が大きなウエイトを占めています。
正解の無い「面白いとは何か」にひたすら向き合う
恐れずに作品をたくさんの人に見てもらう
自分のスタイルに固執せず研鑽を続ける
とにかく沢山の読み切りマンガを描く
この辺りをどれだけハングリーにできるかが重要です。
役に立った授業内容ランキング
イラスト系の専門学校に通って個人的に「役にたった!」と感じた授業内容を解説していきます。
1位:デッサン・クロッキー
全ての基礎、そして一人で取り組むのが難しいデッサン・クロッキーが一位です。
デッサン・クロッキーは観察眼を鍛えて、対象を二次元に正確に描き出す練習です。
上達すると、上手なクリエイター様の作品を正確に模写できたり、初めて描くモチーフを描く時もそれなり描けるようになります。
デッサン・クロッキーを鍛えておくとその後の「成長率」が大きく変わってきます。
「経験値2倍」の得点がつくイメージです。
そして、一人自分の部屋で練習するのが難しいという側面もあります。
そもそも最初は楽しくないので辛いですし、適切なモチーフも用意できません。
そして描きおえた作品を評価して改善点を指摘してくれる方もいません。
自分で描いたデッサン・クロッキーの改善点を自分で正確に把握するはかなり難しいです。
理由はデッサン・クロッキーというは、いかに先入観をすてて客観性をもって正確にモチーフを描けるかという練習でもあるからです。
先入観ありまくりの自分で自分の作品を評価しても改善点は見つけづらいです。
2位:似顔絵・自画像
仮に「マンガ家」「イラストレーター」にになる夢が叶わなかったとしても、のちの人生に活かせるスキル圧倒的1位です。
ボクの場合職場やクラウドワークスで似顔絵の作成を依頼されるケースが非常に多いです。
それだけニーズも沢山あり、またビジネスに直結するスキルとも言えます。
有名人の似顔絵が描ければ、それだけでTwitterなどのSNSでは強者になれます。
似顔絵スキルが活かせるパターン
クラウドワークス・ココナラ等での案件受注
勤務先で会社の販促物の作成に携われる
友人・知人の結婚式のウェルカムボード作成
3位:クリエイティブ系のPCソフトの操作
ボクが学生の頃は、個人でフォトショップをはじめとするクリエイティブ系のPCソフトを触れる環境を持っている学生はほとんどいませんでした。
当時の授業で学んだ「レイヤー構造」を初めとするクリエイティブ系のPCソフトの基礎知識は今でも制作に役立っています。
ポイント
「レイヤー」
「オーバーレイ」
「選択ツール」
個別で調べれば「それが何か」「どのように使うか」は割と簡単にわかります。
しかしそれだけではスキルが身についたとは言えません。
全体の流れや活用方法まである程度、体系化して教えてもらえるのが専門学校のメリットです。
役に立たなかった授業
デザイン系の専門学校で習うことが全て役に立つわけではありません。
もちろん個人差もあると思いますが、ボクの場合以下の授業はほとんど役にたちませんでした。
注意ポイント
各種描画用具の使い方(烏口、コンパスなど)
レタリング
当時はまだデジタルが完全に普及していなかったので、アナログで綺麗な線を線をひいたり文字を書いたりする授業が多くありました。
2022年現在、それらの作業はPCを使ってより正確にスピーディーに出来るようになりました。
当時授業で習った内容はほとんど活用する機会がありません。
これは専門学校が悪いというより時代の流れによる変化が要因です。
これから専門学校への進学を検討されている方は
「今後役に立ちそうな技術」
「役に立たなさそうな技術」
将来必要性が高くなるスキルを予想して、そこを伸ばすことがおすすめです。
美術大学との比較
デザイン系の専門学校に行くなら美術大学に行ったほうがいい
ネット上でそんな意見を見たりします。
デザイン系専門学校・美術大学の両方を卒業したボクの意見としてはこんなイメージです。
専門学校のが強い
狙ったスキルをより短期間で成長させる
就職に有利なスキルの習得
美大のが強い
徹底的な基礎技術の研鑽
将来の夢を見つける
夢や目標がハッキリ決まっている方は、狙ったスキルを短時間で伸ばす専門学校がおすすめです。
「クリエイティブな仕事がしてみたいけど、具体的にはまだなにも決めてない」
そんな方は沢山の出会いと、4年という圧倒的な時間が得られる大学を検討しても良いかもしれません。
まとめ:クリエイターはコスパだけで判断するべからず
世の中に無料で超有益な情報が溢れています。
もしかしたら専門学校で学べることは、頑張ればネットですべて見つけることができるかもしれません。
そういった意味では、「専門学校は無駄」という論調の方の意見も理解できます。
しかしボクたちクリエイターは一般の方が「それ意味ある?」と思うようなことに面白みを感じて突き詰める事が大好きです。
そしていくらネットでも「自分が知らないこと」は検索できません。
検索できなければ学ぶこともできません。
必要な情報を網羅的に教えてくれるのが学校の良いところです。
入口がわかればあとは自分で「その道を突き詰めるかどうか」が判断できます。
ボクはデザイン系の専門学校・美術大学に行ったことを全く後悔していません。
役に立ったこと、立たなかったこと含めて「行って良かった」と感じています。
きっと普通の学校に通ったり、早々に自分の「好き」を諦めて就職してていたほうが後悔していたと思います。
自分の心の声に耳を傾けて、進むべき道を選択してきましょう。
それが「最善」です。
この記事が、専門学校を検討している方の参考になってくれたら嬉しいです。
どの専門学校に通うべきか迷っている方はこちらの記事も参考にしてみてください。
【失敗談】漫画を学べるおすすめ専門学校ランキング(漫画家挫折したサラリーマンが解説)
ここまで読んでいただきありがとうござました。